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日本七社・冠稲荷神社(群馬県太田市)

稲荷神社は日本の神社で最も身近といえるかもしれません。
それほどまでに全国の隅々にまで鎮座しているといえます。

そんな稲荷神社で、総本社である京都伏見稲荷大社の分霊の稲荷神社としては、伏見、豊川、信田、王子、妻恋、田沼と合わせ、日本七社のひとつといわれているのが冠稲荷神社です。

新田氏と関係深い地域というこもあり、新田氏の始祖である新田義重の父・源義国の創建と伝えられています。
承安4年(1174年)には、源義経が奥州下向の際に、この神社が源氏ゆかりの社であることを知り、冠の中に勧請してきた京都伏見稲荷大社の御分霊を鎮祭したといわれています。

その後、鎌倉幕府を倒した新田義貞が元弘3年(1333年)に幕府討伐の兵を挙げるとき、ここで兜の中に神霊の来臨を請い戦勝を祈願されたという伝説も残っているようです。

南参道から一直線に本殿へと向かい、鳥居をくぐると左側には多くの摂社が並んでいます。
義経の神水もあります。

群馬県指定天然記念物の木瓜は、参道の右側にあり、樹齢400年、320余りの株が叢生するという大きな木瓜が印象的です。

拝殿は延享3年(1746年)の建築で、寛政11年(1799年)に改築されたものです。
本殿は荘厳な三間社流れ造り建築で、元禄3年(1690年)の再建です。元禄文化の粋を集めた貴重な建造物ということで、太田市の重要文化財になっています。