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亀島川岸の徳船稲荷神社(東京都中央区)

東京都中央区の霊岸橋付近から日本橋川より分流し南へ流れる川が亀島川です。
都内の川としては知名度は低いかもしれませんが、隅田川に合流する前に、日比谷河岸、将監河岸、亀島河岸、湊河岸があったことで知られます。

また、わずかに1km程度の短い川にも関わらず、流路延長に5つの橋が架かっています。その中で亀島川最下流の橋に南高橋があります。すぐ南側が亀島川水門という位置です。

その南高橋の新川2丁目側の橋詰に徳船稲荷神社が鎮座しています。
新日鐵のビルの脇です。

社名に「徳」があるように、徳川家に縁のある神社です。
神社としては、もともと隅田川河畔に鎮座していたものを、中央大橋の架橋工事の際に現在地に移転したといいます。

縁起によれば、江戸時代のこの地域は越前・松平家の下屋敷が三方堀割に囲われ、広大に構えていたそうです。その屋敷の中に祀られていた稲荷社があったそうです。しかも御神体が徳川家の遊船と舳を切って彫られたものと伝えられています。

明暦3年の振袖火事により、御神体はあわや類焼の寸前だったようですが、何とか難を免れました。
その後の関東大震災でも何とか難を逃れ、昭和6年に隅田川畔(現中央大橋北詰辺り)に社を復活し町の守護神として鎮座しました。しかし戦災で全焼してしまいました。

昭和29年にこの地に遷座となりました。

都会らしい小さな神社です。
それでも不思議と落ち着く空間が漂っている感じがします。わざわざ参拝に行く神社ではないのかもしれませんが、近くを通りかかった際にはまた立ち寄りたい神社です。