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武家屋敷の稲荷社・大廣神社(東京都中央区)

大廣神社

日本橋と名の付く地名はいくつかありますが、日本橋浜町というと、ビジネス街というよりマンションが多い地域というイメージがあります。江戸時代でもこの周囲は広大な武家屋敷が存在したエリアで、実際、現在では日本橋地域で最も多い人口を誇っています。

その一方で明治座もあり、徒歩圏内で人形町の繁華街や箱崎ターミナルにも行けることから、観光客を含め、意外と多い人たちが訪れるともいえます。

位置的には旧日本橋区の中では最東端になり、隅田川沿いの街ともいえます。
古い木造家屋も随所に残るものの、新しいマンションも多く林立しています。

大廣神社はそんな日本橋浜町のビルの谷間に鎮座しています。
この神社は、江戸時代には常陸麻生藩の新庄駿河守屋敷があった場所だといわれます。そのため、大廣神社は新庄家の邸内社だった可能性があるようです。

社号標石兼合祀記念碑には、昭和27年(1952年)5月吉日再建とも刻まれていますが、昭和42年(1967年)10月に大橋稲荷神社と末廣稲荷神社を合祀して現社号に改称したともあります。

都会の神社らしく境内は狭いものの、明神鳥居が二つ、手水舎、拝殿まで揃っているのは立派です。稲荷社らしく、拝殿の両脇に狛狐が二対安置されています。

日本橋浜町には稲荷社が多い印象を持ちます。
大廣神社だけでなく、元徳稲荷神社綱敷天満神社、笠間稲荷神社東京別社、それにトルナーレ日本橋浜町の敷地内には浜町神社(島津稲荷)などが鎮座しています。
江戸の武家屋敷には稲荷信仰が多かったのかもしれません。

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