都内からのアクセスが良い観光地として、箱根は外国人観光客も多く訪れています。
温泉や芦ノ湖観光だけでなく、箱根神社に足を伸ばす人も多いようです。
そんな箱根神社ですが、「箱根を背にするものは天下を制す」とも言われ、関東でも屈指のパワースポットとして人気が不動のようです。
久しぶりに訪れた箱根神社は、外国人観光客の集団で溢れていました。
以前はそこまで外国人が多い印象がなかったので、ここ数年でインバウンドの効果がこの神社にも確実に出ていることを実感させられます。
もともと箱根は山岳信仰が盛んで、駒ケ岳の山頂を磐境として祭祀が行われていたといいます。
孝昭天皇の時代には、聖占が駒ケ岳に神仙宮を開き、神山を神体山として祀りました。
しかし、現在の箱根神社をパワースポットとしている一つの要素としては、天平宝字元年(757年)に万巻上人が里宮を創建したことが影響しているといえるでしょう。これが現在の箱根神社が鎮座する場所です。
「僧・俗・女」の箱根三所権現として祀られ、さらに、万巻上人の九頭龍を調伏から、九頭龍神社本宮の建立、そして九頭龍が守護神という一連の伝説も残されています。
箱根神社拝殿に隣接して九頭龍神社の新宮が境内社として鎮座しています。
四神相応の龍穴スポットともいわれる境内で、九頭龍神社の新宮が組み合わさることで、確かにパワースポットと表現されるのも分かる気がします。
ただし、九頭龍神社の新宮建立は、平成11年(1999年)で、実はかなり新しいのです。
箱根神社は武将からの崇敬を受けてきましたが、おそらくこれは源頼朝を権現別当が助けたという「吾妻鏡」の記述があることも関係しているでしょうが、やはり戦勝を祈念するのは武将の常であり、それに見事に応えてくれたのかもしれません。
芦ノ湖の鳥居から一直線で本殿へと向かう参道は、それだけで迫力があり、九頭龍が守護している感覚は十分に理解できます。
参拝者というより観光客が多いのは何とも辟易させられる部分はあるものの、箱根神社は山岳信仰から九頭龍伝説、そして武将の守護という一連の流れを堪能できる貴重な神社であることは間違いないでしょう。