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江戸酒問屋の守り神・新川大神宮 (東京都中央区)

江戸酒問屋の守り神として知られる新川大神宮。

大神宮とはいうものの、ビルの狭間に鎮座する小さな神社です。
それでも毎年10月に行われる例大祭では、酒類業界関係者や近隣住民が参加するもので、それなりの規模だといいます。隣接する酒フーズ健保会館では、直会が行われ、ここでは「新川締め」とよばれる独特の手締めが行われます。
酒問屋独特の世界のもののようで、商談成立や初売りなどにも行われるものだそうです。

新川大神宮の創建は、1625年(寛永2年)に遡ることができます。
慶光院周清が江戸幕府2代将軍・徳川秀忠から江戸代官町に屋敷を賜り、邸内に伊勢神宮(内宮・外宮)の遥拝所を設けられたことがはじまりです。
そのため、祭神は伊勢神宮の内宮の天照皇大神、外宮の豊受大神です。

1657年には明暦の大火が発生し、新川大神宮は消失してしまい、霊巌島に移りました。
この移転が酒問屋の守護神となる契機となりました。というのも、霊巌島(新川)は水運の利便性により酒問屋の集積地として栄えたからです。

1945年(昭和20年)には、東京大空襲で社殿が焼失してしまいます。
再建は1952年で、やはり酒問屋有志によります。

都会の神社らしく、狭い境内に小さな社殿ではありますが、お酒を飲む前に江戸酒問屋の守り神に参拝するにも悪くない気がします。