読んで字のごとく「みんな」「あたる」神社なので、ギャンブルや宝くじの当選など、「当てたい」人に人気の皆中稲荷神社です。「賭けごとの神」です。
久しぶりに訪ねてみました。
いわゆる開運系の神社ですが、神域らしいロケーションとは無縁の場所に鎮座しています。
JR山手線の新大久保駅からわずか徒歩1~2分、JR中央線の大久保駅からも徒歩3~4分程度です。道行く人の数が混雑していなければ、さらに早く到着できるかもしれません。
日本人だけでなく異国の人々の通行も多い大久保通りに面して参道が続くため、静謐な空間は望めず、混沌とした世界から霊験あらたかな世界へ入ることになります。
拝殿は大久保通りに向いているわけではないため、この参道から進むと左に直角に向きを変えることになります。このような参道の構造は、典型的な怨霊系神社ですが、ここは、参道に沿った路地のような道に向かって一直線の短い参道もあるため、やはり伝説通りの大明神を祀る神社といえると思います。
江戸時代の鉄砲隊が現在の新宿区百人町にあり、彼らから篤く信仰された神社です。
ここでの創建伝説は、鉄砲隊の隊士の一人が、9月のある夜、稲荷大明神が鉄砲組与力の夢枕に立ったことに始まります。霊夢の中で、大明神が射撃を伝授したことで、その隊士は百発百中の腕前に上達したといわれます。その霊験が評判となり、皆中稲荷神社が創建されたといわれています。
天文2年(1533年)のことだそうですから、江戸時代の前で、足利幕府の時代になります。
喧噪の中にありながら、不思議と落ち着く雰囲気もあります。