平成24年12月に火災で焼失した八雲神社が再建され、落成したのが5年後の平成29年でした。
森高千里のヒット曲「渡良瀬橋」に登場した神社が焼失したことがニュースにもなりました。全国のファンから見舞金が相次ぐなど話題になりました。足利などで開催したコンサートの収益金の一部などを含め、地元関係者らの寄付が集まり、再建へと進みました。
新しい八雲神社は伊勢神宮の社殿を移築し、木の香りが伝わってきそうな見事な新社殿です。これは平成25年の伊勢神宮・式年遷宮に伴って解体された社殿「月読荒御魂宮」のヒノキ材が譲渡されることによって実現したものです。
栃木県足利市には「八雲神社」という名称の神社がいくつかあります。
森高千里の「渡良瀬橋」に登場するのは市内緑町の神社で、社伝によれば、貞観11年(869年)に起源を持つ古社です。清和天皇の勅定により誕生したともいわれます。
日本武尊の伝説も残っています。出雲大社を勧請したという伝承ですが、主祭神は素盞嗚男命で、大己貴命、少彦名命、火具土命が配祀されています。社殿の再建の際には月讀尊が新たに合祀されました。
武将の戦勝祈願に関する伝承もあります。
古くは平将門の乱の際の藤原秀郷、前九年の役と後三年の役では、源頼義と源義家。
秀郷については将門討伐した後、神馬と太刀を寄進したといわれたいます。
また足利六十六郷の総鎮守ともいわれ、古墳のある小高い丘の斜面に境内が広がることから、古代から聖地であったことは間違いないでしょう。
とても静謐な空間の広がる神社という印象です。