まだ大学生だった頃、シベリア鉄道でヨーロッパへ行きました。
当時はまだソ連だった時代で、おそらく今より地味な印象が続く町並みが続いていたと思います。
ソ連からスカンジナビア半島を経てドイツに入り、最初に訪れたのがハンブルクでした。
ここでの思い出がのちの人生に大きく影響を与えたともいえます。
オーストラリア在住の友人や、現地で知り合ったシェフたちと、ハンブルクの街を闊歩しました。
以後、ハンブルクは訪れるたびに不思議な魅力で迎え入れてくれ、欧州の中では「故郷」のような位置づけになりました。そのため、様々な思い出や紹介したいスポットがあります。
今ではドイツと無縁になってしまったことから、当時の思い出とあわせて、追々と紹介したいと思っています。
さて、ここでのテーマはハンブルク中央駅 (Hamburg Hauptbahnhof)です。
ハンブルク市の中心駅であるのは間違いありませんし、一日の平均利用者数は約45万人という巨大な駅であるのも確かです。
しかし、ハンブルク中央駅は他のドイツの主要都市にある中心駅とは明らかに異なります。
ターミナル機能はともかく、基本的に始発・終着の駅ではありません。その役目はハンブルク・アルトナ駅が担っています。アルトナ駅は中央駅と比べると、かなり地味です。
また、多くの欧州の主要駅は頭端式ホームですが、ハンブルク中央駅は日本の主要駅と同じような構造になっています。
そのせいか、初めて訪れた時は、極めて親近感を持ちました。
長距離列車だけでなく、大都市の駅らしく地下鉄 (U-Bahn) 、Sバーン (S-Bahn)も集中し、特に 、U-Bahnは地下鉄らしい地下駅になっています。トラムではなく、東京や大阪などと同じようなので、そういう意味でも他のドイツの都市より、馴染みやすいといえるでしょう。
フランクフルト中央駅に行くと、ドイツに来た、という感覚になりますが、ハンブルク中央駅の場合、戻ってきた、という感覚になります。
また、行ける日があればいいな、と単純に思っています。