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ネットで復活「弘法倶楽部」

弘法大師伝説をたずねて

弘法大師ゆかりの湯と秘説の湯 山梨周遊編(第9回)

厄除地蔵尊祭り当日の模様の第2回です。
本堂を挟んだ熱気と喧騒、静寂をお送りいたします。

熱気と冷気

一通りの手続きを済ませた。後は祭り開始と共に実際に本堂の前で*除け≠してもらい、その後宮殿(接待所)にてお札そのものをいただけるとのことである。

そうこうしている内に時間は十時を回った。省みると自分の行動のタイミングがギリギリだったのか?後ろを振り向くと申込希望者がいつの間にか大きな列をつくっていた。地元関係者の人達の行動もいっそう慌しくなってきたようだ。
ただ本番(?)開始まではまだ二時間弱ある。やや手持ブタさというか、時間を持て余す感じになってきて、本堂のまわりをうろうろしている状況。本堂の後ろは湯村山の山頂につながる山道になっており、ちょっと足を延ばしてみることにした。

愛嬌のある顔からは想像できない由来の「たんきりまっちゃん」

境内は丁度山門から始まる湯村山の斜面に展開しており、本堂の裏は段々畑のように墓地が広がっている。本堂より前部はかなり喧騒してきたが、裏に回ると嘘のようにひっそりしており、霊気とも冷気とも取れる雰囲気が漂っている。裏の静寂が表の喧騒を見守っているかのようだ。
墓地が切れて山頂への山道と合流するあたりに、風変わりなお地蔵さんがあった。自然石の上に地蔵の首だけ乗っかっており、その顔がなんとも言えず愛嬌がある。丁度、赤塚不二夫の漫画に出てくるキャラクターのよう(?)

後から聞いた話だと「たんきりまっちゃん」と呼ばれ愛嬌のある顔で、地元の住民にも親しまれているようだ。ただその愛嬌のある顔とは裏腹に由来は、昔痰や喉の痛みに苦しむ人が祈願して創ったとのことである。痛みから逃れたい一心をこのユーモア溢れる顔に託したとすると、なんだが逆に痛々しい印象もある。

このまま山道を登ってみたい気にもなったが、今日はここ二日間とはうって変わって曇天模様。頂上付近からの展望も望めそうもないし、第一これから祭り本番なのだ。時間的にもそろそろ引返すべきかと思い境内に戻ることにした。
午前十一時。あと一時間ほどになった。西堂前は申込希望者で長蛇の列となっており。本堂前は既に申込を終えた人と地元の関係者が入混じってごった返している。

山門前から湯村の温泉街まで続く黒山の人だかり

規制が必要な行列

ほら貝を吹きながら参道をあがってくる「使いの人」

本堂の表と裏はまさに熱気と冷気である。空を見上げるとヘリコプターが空中放送している。
「甲府市内のみなさん!本日と明日の二日間に渡る厄除地蔵尊祭りでは、道路及び交通機関等、大変混雑が予想されます!また行過ぎた行動はくれぐれも慎むようお願い致します!」
おそらく県警か何かのヘリであろう。なんだか阪神タイガース優勝時の道頓堀川のようで、改めて祭りの規模とその信仰心の発するパワーを再認識させられる。まだ始まっていないのに‥。
三十分前になり、そろそろ本堂前に行こうとして、ふと振り返ると「やはり!なるほど!」と思った。

本堂前からは湯村温泉街が見下ろせるが、とにかくメインストリートのみならず、小さい脇道までびっしりクロヤマの人、人、人、である。そしてその総てが真下の山門まで行列となっている。俯瞰すると四方に分かれた枝が山門前で太い一本の幹になって収束している、とでも言ったら当てはまるだろうか。山門前で一つになった行列はそのまま石段を上がり西堂の申込所まで続いている。

横にいた警備のおじさん曰く
「まあ、願い事は長く待てば、長く待つほどよろしく聞いてもらえるんやろーなー、なんせ十二時にならな耳が聞こえんのやから、聞こえんかったらなんぼ願うてもだめやしねー‥」
なるほど、長く待てば待つほどご利益は多し、とも言えるのかもしれない。
いよいよ本堂前にも人がなかり集まり始めた。私も乗り遅れないように本堂の前に行くことにする。早く申込みを済まして多少余裕をカマしていたが、もうそう言う状況ではなくなったようだ。

やがて、山門の横の宮殿の方から、七人くらいのいわゆる℃gいの人≠ェほら貝を吹きながら、参道脇の石段を上がって来た。

「ブゥオゥー〜ン」

一瞬、境内内外の喧騒が静寂にかわり、熱気が冷気にかわる。

いよいよ℃ィ≠開ける、その時が来たようだ。

ほら貝により始まった厄除地蔵尊祭り。護摩焚きが行われている本堂へ足を踏み入れ、「出会い」の時を迎えます。



※平成17年発刊の「弘法倶楽部」第3号に掲載されていた記事を、そのままホームページ用に掲載しております。現在とは異なる箇所がございますが、掲載当時のまま再掲載しております。


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