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ネットで復活「弘法倶楽部」

弘法大師伝説をたずねて

弘法大師ゆかりの湯と秘説の湯 山梨周遊編(第8回)

いよいよ厄除地蔵尊祭り当日の模様です。
お祭りの模様を3回に別けてお送りします。

準備完了

翌朝、一階の奥の食堂で朝食を頂いていると、ロビーや玄関の方から明るくも騒がしいやり取りが聞こえてくる。
この宿の前にも出店が構えられ、日中から夜にかけては、温泉宿から主役に近い立場を奪い取る(?)ようだ。むろん主役は塩澤寺である。

女将さんの話では、山梨県全域のみならず、真言宗関連のお寺関係者をはじめ全国から参拝者が訪れ、その数は十万人を越えるという。ロビーで一服していると玄関の外では慌しく地元の人達が右往左往している。

朝からお祭りの準備が進む

この厄除地蔵尊祭りは、観光ガイドなど、一般的には「国の重要文化財に指定されている地蔵堂に安置されている本尊の石造地蔵菩薩坐像が、この日一日だけ耳を開き善男善女の願いを聞き入れてくれる」とされているが、昨日の塩澤寺のお身内の方からの話などを基にした私の解釈としては、空也上人による厄除地蔵菩薩像と完全な秘仏である弘法大師の坐像が一つとなり、それにより善男善女の願いに対して耳を開いてくれる、と解釈している。
女将さんにも確認したところそれは間違いないらしい。ただ、祭りの盛り上がりとは裏腹にその辺の詳しい根拠に関しては、案外地元の人達もよく分かっていないケースが多いそうだ。この辺は前述した下部での事情にも通ずる部分であり、私も苦笑いするしかなかったが‥。
宿を出る。時に午前九時。女将さんからは、「どうせ夕方くらいまで湯村にいるんでしょ、一段落ついたらまた寄ってくださいな」と一言。私は自然に笑顔が出て、おそらくそうする旨を伝えた。そして足は再び温泉街中心部に向かい始めた。

昨日は暗くてよく分からなかったが、昨日通った道の両側には既に開店直前の出店がズラリと並んでいる。祭りが始まるのが十二時からで、その一時間前くらいから急激に人が増えてくるらしい。
さすがに今はまだ地元の人が準備中という時間帯である。たこ焼き屋、占い、りんご飴‥等、自分的には初詣の神社の参道の風景のようだ。ただ、どんどん歩いている内にそのスケールに驚く。
温泉街のメインストリートのみならず、脇道にいたるまで、凄い数の出店だ。おそらく百件以上あるだろう。まさに十万人を迎え入れる準備まもなく完了!≠ニ言う感じか?徐々に温泉地全体の来るべき熱気をひしひしと感じ始める。

人が集まり始める前の山門前

女将さんからは「参拝者が増え始めてから境内に入ろうしたら≠ニんでもない≠アとになる」と言われたのを思い出し、早めに塩澤寺境内に入ることにした。山門の前に着くと、警察官だか警備員だか分からないが、ピーク時間を想定して警備の予行演習のようなことをやっている。かなり緊張した面持ちにみえる。

昨日来た時は真っ暗だったので改めて見ると、また違った顔を感じる。山門の両側の斜面に無数の石仏があり、そしてその石仏を従えるように斜面の中腹には、弘法大師像が佇んでいる。そして改めて感じた。やはり、ここが湯村の中心であり、また象徴なのだ。
山門をくぐり石段を上がる。境内はまだ、人はまばらで、関係者らしき人達だけのようだ。早く来て正解!
境内に入ると本堂の横に西堂と呼ばれるお堂があり、そこには弘法大師の坐像がある。ただ、そのお堂はここ(塩澤寺)ではいわゆる『大師堂』とは呼ばずあくまで『西堂』とよんでいるそうだ。そしてこの西堂は祭り中護摩札申込所になっている。改めて見ると、そこだけは申込希望者で結構人が集まっている。

御祈祷護摩札申込所

御祈祷護摩札申込所の奥に鎮座するお大師様

早速私も行ってみた。正面には『祈祷護摩札申込所』とあり、受付のおじさんが四〜五人おり希望者を受け入れている。奥を見ると黄金色の弘法大師坐像がそのやり取りと見守るように鎮座している。

ここまで来たら私も‥、とばかりここは一つ申し込もうと言うことになった。受付のおじさんから話を聞きながら進めていく。

まず『御護摩札祈祷志納料』とあり、金額によっていくつかバリエーションがある。

〇交通安全祈祷守…………二千円以上
〇別護摩……………………二千円以上
〇大護摩……………………三千円以上
〇特別大護摩………………五千円以上
〇大護摩開運隆昌…………一萬円以上
〇特別大護摩開運隆昌……二萬円以上

となっており、それぞれ独自の意味が込められているようだ。私はとりあえず財布の中身と相談(寒い!)して『別護摩』を選択した。金二千円也。
すると今度は『厄除』から『必勝祈願』まで二十四通りのいわゆる願意を書いた紙を差し出された。「この中から任意に二つ選んでください」とのことである。

自分としては、近年体調を壊すことがよくあり、また弘法倶楽部の今後のこともあるので、『身体健全』と『心願成就』というのを選んだ。この時ばかりは、客観的な取材の気分とは切り離れた心境だったのは言うまでもない。

次回は、本堂を挟んだ熱気と喧騒、静寂をお送りいたします。



※平成17年発刊の「弘法倶楽部」第3号に掲載されていた記事を、そのままホームページ用に掲載しております。現在とは異なる箇所がございますが、掲載当時のまま再掲載しております。


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